有限会社ACAハセガワでは、貴女の為に世界で一つのハンドバッグをオーダーメイドで作り上げます。ARS樹脂、プラスチック、アルミニュウム以外の革・皮製品のあらゆる修理の相談に乗ります。

鹿鳴館時代の舞踏会時のバッグ

1890年代のイギリス製のパーテイーバッグです。
さる高名な家の三代目の婦人の依頼品です。何と都内の修理可能と思われる会社86軒お回りになり、87軒目にACAハセガワにお見えになられました。


この品物は明治時代中頃に口金のからくり部分の横引き金具部品が折れてそれ以来破損したまま2008年までお婆様、お母様、ご本人と三代にわたってお使い続ずけて下さったため、皮脂(手油)がバッグに適当に浸透していたのです。本来、ワニ革も手入れなしに100年もの間お使いにならないとトイレットペーパーのように弱くなります。

口金とバッグ本体とは当時は釘止めで加工していました。難題は切れに釘が抜けるかにありました。釘周りには油を少々たらし塗りをして10日間ゆっくりゆっくりと時間をかけ 釘抜を全部無事に終わりました。
全部解体したのち、日本人で1、2といわれる名工口金職人さんを訪ね、(これもACAハセガワの代表者が1946年頃から実家の仕事に携わっていたから誰に頼めるかの業界人の知識と人脈があったからです)からくりの復元を依頼しました。2020年三月で高齢の方なので工房を閉鎖なさいました。今では足立区の後進養成のお手伝いをなさっています。

工程はさび落としーーからくり解体ーーメッキ落としーー新たにからくり部品を制作ーー完成度確認ーー再メッキ最高のメッキであるホワイトゴールド(今ではシャンパンゴールドとも呼ばれます)をかけました。 
まさに130年前の輝きを取り戻しました。
裏地は時代を経てよごれがありましたからビロード生地のワインカラーを使いました。御届け致しましたら
大変お悦びなされ、感謝のお言葉をいただきました。


御依頼者は数日後の新年の皇居参内にお供されました。

現代ではここまで年月を経たワニ革をお直し機会にはなかなか巡り合えません。
大変良い経験を得られました。